庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載
映画サイトをとりまく状況を特集。『アメリ』、『いかレスラー』の叶井俊太郎氏のインタビューも一緒に掲載された。
“小さな石”が持つ可能性
「新世紀エヴァンゲリオン」「式日」の庵野秀明監督の最新作は「キューティーハニー」。
漫画・アニメの鮮烈な記憶が今、庵野作品としてよみがえる、というわけだ。
大きな注目が集まる庵野監督に映画とWebについて、話しを聞いた。あの庵野秀明監督が、「キューティーハニー」を実写で映画化する。その話を初めて耳にした時、その選択の意外さと鋭さに驚かされたが、今回試写を見てあらためてビックリした。それは漫画やアニメとしてすでに確立していた“ハニーの世界”が、見事に実写作品にコンバートされ、娯楽作品としてきっちりと完成していたからだ。
「漫画やアニメの世界観をそのまま実写にするなんてことは不可能でしょう。はじめから諦めています。捨てて捨ててそれでも残るもの、雰囲気みたいなものだけを残す。そのくらいがちょうどいいんだと思うんです」
主人公ハニーを演じるサトエリも、秋夏子役の市川実日子も、脇を固めるミッチーも京本政樹も、そのほかの名優怪優、みんな、実に作品と馴染んでいたのは、まさに原作の持つエッセンスの、さらに芯のところを飲み込んで演じていたから、ということになるのだろう。
映画のWebサイトの話の前に、映画の魅力をどう伝えるかという話になった。
「当たり前のことですが、映画の魅力は、映画を最初から最後まで見てもらって初めて伝わるもの。だから作品の面白さを伝えるのは実に難しいんですよ。面白い映画を作るより、よほど難しい。映画の広告費が製作費を上回ることがあるというのも、僕はもっともだと思っているんです」
映画の世界で動くお金はケタがいくつか違う。
「でもね、お金をかけたからいいというものでもないんです。1千万円の広告費で当たっちゃう映画もあれば、20億円かけてもはずす映画がある」
そして、Webにも秘めた可能性があると言う。
「ムーブメントのスタートって、ほんの小さな石でも起こせるのだと思うんです。うまく池の中に投げ込めれば、その波は遠くまで届く。別に大きな石でなくても」
ならば映画の作り手として、Webサイトまでコントロールしたいと感じることはないのだろうか。
「たとえばエヴァンゲリオンの時は関わりました。世界観を作り込むのに必要だと感じたからです。でも今回のハニーの場合は、あえて何も言っていません。できるだけ多くの人にこの作品に触れてもらって、広がってほしいと考えているからです。作品の本質にもよるでしょうね」
本題に戻って、「映画とWebサイト」、映画の作り手はそれをどう見ているのだろうか。
「映画の面白さはWebでは伝わらないんだ、そこから始めてみるのはいかがですか。伝わらない、そこがスタートになるんじゃないでしょうか
そして最後にもう一つのヒント。
「『式日』のサイトは、ファンの方がボランティアで作ってくださったサイトなんですね。あれは本当に良くできると思います。興行的な色がないのが良かったんだと思うんですが。まあもちろん、画像のこことか権利とかいろいろ難しい問題があるんですけどね」
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