庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載
島本和彦×庵野秀明
創刊4号目。大阪のアニメ関係者を特集した企画。
「爆発! 浪花メーター」
この特集が語らんとする関西とは、パワーあふれる者たちを生んだ土壌である。
生み育てた土地。
そして、様々な出会いとその後の成長への大きな影響をも、この土地は与えてきた。マンガ家・島本和彦。
アニメーター・庵野秀明。
一見、共通する物がないように見える2人だが、大阪芸術大学の同級生であり、なおかつ2人は学内の有名人であった。2人の大阪をぜひ聞いてほしい。
大阪出身者ではないが、大阪が人生の転機になった人もいる。
今や売れっ子のこの人が、などということもあるのだ。
「週刊少年サンデー」誌上で「炎の転校生」を連載中のマンガ家・島本和彦もそのひとりだ。
「風の谷のナウシカ」や「メガゾーン23」で有名なアニメーター・庵野秀明もまたそのひとり。
奇しくも、大阪芸術大学・映像計画学科の同期であるお2人に、大阪芸術大学時代を語っていただいた。
- 島本
「ナウシカ」観ましたよ。巨神兵、スゴかったですね。
- 庵野
あっ、どうも。
- 島本
映像計画学科は一クラスだったけど、ほとんど話はしてませんね。ただ、同級生ということで認識しているだけで……。
- 庵野
グループが違ったからね。そういえば映像計画学科って、映像学科って名前になっちゃったんだって。
- 島本
名前が変わっただけ?
- 庵野
そうみたい。ぼくらがいた頃と同じで、映画作ってれば4年まで上がれるみたい。
- 島本
発表会で、庵野さんのグループの「ウルトラマンDX」で、いきなりパンチを食らっちゃいました。庵野さんが素顔でウルトラマンを演られたでしょう。「やられたなぁ~」と思ったし、「こんな演り方があったのか!」と打ちのめされちゃった訳ですよ。それにアニメもキャリアあって上手でね。
- 庵野
そうですか(笑)。
- 島本
ぼくなんか、絵を描く上ではアニメもマンガも同じだろうと思っていたところがあって、映像学科にいましたから、庵野さんらの作品みて、「こりゃ、アニメはダメだ」と思って、「じゃあ、マンガに逃げよう」ってマンガ家、目指したんですよ。
- 庵野
ホントですか?
- 島本
北海道にいた頃、自分でパラパラマンガ作って、「こりゃあ、いける」って思ってたんですから。
- 庵野
北海道か。ぼくは山口県出身なんだよね。大阪に出てきてからは、行きっ放しという感じで、山口には2年に3日ぐらいしか帰ってませんよ。
- 島本
ぼくは長い休みは、だいたい北海道に帰ってましたよ。大阪には、あんまりいなかった。大学も4年に上がる前にやめちゃって、東京に出てきちゃったし。
- 庵野
DAICON FILMの作品で「愛国戦隊 大日本」と「帰ってきたウルトラマン」に参加したから、3回生の時、全然学校へ行かなくて、ぼくもやめちゃった。
- 島本
1、2年はまじめに行ってたんですけど。
- 庵野
ぼくもです(笑)。
- 島本
ぼくなんか大阪に初めて出てきた時に、電車に乗ったらみんなが大阪弁しゃべってるんで、おっかなかったな。
- 庵野
まさにね(笑)。
- 島本
学生が、ちょっとした冗談でね。相手のえり首つかんだりして、一言いうとスゴミがあるんだよね。女の子も大阪弁しゃべるし(笑)。
- 庵野
かわいいなぁ、いい子だなぁ、いいな、いいなと思っていると、出る言葉が大阪弁なんで、愕然とした日々がありました。
- 島本
ぼくはね、大阪に来て最初に乗った電車の中で、北海道弁をバカにしてるのが聞こえてきたんで、「ぜったい、大阪弁は覚えないぞ!」って心に誓ったりしましたよ(笑)。
- 庵野
学内の有名人だったの気がついてた?
- 島本
ホントですか? ぼくは大阪では、ほとんど自分のペースになれなくて、隠れた存在みたいだったけどなあ。
- 庵野
それは認識不足だよ。マンガのヒーローそのものだとかいわれてたよ。
- 島本
当時は気力をなくしてましたから、そんなじゃなかったと思いますよ。なにしろぼくは、先に突っ走るタイプですから、大阪にいて他の人にドンドンやりたいことやられてましたからねぇ。
- 庵野
そんなことないって。
- 島本
でもね。北海道の友達に自分の描いたマンガ見せたら、受けたんで、「こりゃ、いける!」と思っても、大阪の友達に見せたら、黙りこくっちゃってね。たぶん、ぼくの今のマンガも大阪の人に受けないんじゃないかな。
- 庵野
それは、マンガよりも本人のほうがおもしろかったからじゃないかな。
- 島本
あの時、おもしろかったかなあ。
- 庵野
おもしろかったよ。と、そうだ、デビューの時に、ハガキ配ってたでしょ。アンケート書いてくれって友達に……。
- 島本
あれね。いっぱい配ったのに、アンケート見てみたら、2、3人しか出してくれてなかったな。
- 庵野
ゴメン、私用に使っちゃった。
大阪の持つエネルギーは、今日も誰かの心にパワーを吹きこんでいるのではないだろうか。
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