庵野秀明、貞本義行、山賀博之の発言集、作品に関する資料などを掲載
あの庵野秀明氏が総監督を務めた『ガメラ3』の完全ドキュメンタリービデオ『GAMERA-1999』。何故今、特撮のドキュメンタリーなのか? 庵野監督の最新インタビューをまじえて探ってみた。
庵野監督が撮ったもうひとつの『ガメラ3』
庵野監督といえば、即座に『新世紀エヴァンゲリオン』を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、かつてはアニメーターとして、あの名作『風の谷のナウシカ』や『超時空要塞マクロス』に参加していたり、OVA『トップをねらえ!』では監督、NHKアニメ『ふしぎの海のナディア』では総監督を務めていたのだ。そして昨年話題を集めた『ラブ & ポップ』に次いで2作目の実写が、今回紹介する『GAMERA-1999』。では何故今、特撮なのかを昨年末にGAINAXにて行われたインタビューから探ってみることにする。
まず庵野監督は、
「第3世代、つまりウルトラマンなど特撮を見て育った世代が制作しているのが“平成ガメラシリーズ”だ」
と語る。これは特撮そのものが転換期を迎えていることを物語っているのではないだろうか? それは監督の
「今回のガメラがライブアクション(ミニチュアワーク)からポストプロダクションに作業の重点を移行させたことで、撮影中よりも、仕上げ作業の方が時間がかかっている。作業現場で画の完成形を窮うことはできない。つまりメイキングとしての花に欠ける」
という言葉にもあるように、今までの特撮の概念とは明らかに違ってきているのが事実だ。では今回“メイキング”ではなく“ドキュメンタリー”というスタイルをとっているのは何故なのか? それについては
「基本的にメイキングの部分が大半を占めますが、それ以外の部分に作り手として興味がある。制作スタッフの個人レベルのところまで踏みこめれば…。そこが人間の面白いところでもあるのだから」
と語る。ということは、かなり人間味溢れる作品になっているに違いない。更には
「特撮映画には基本的に見る側が許容した上で見ているもの。特撮という“虚”をリアルという“実”に変換するというハードルを超えられる人しか見ないから」
という監督の言葉からも、特撮に対しての監督の大きなこだわりが感じられる。もっとも
「所詮“怪獣ごっこ”が一番良いポジションだと思う」
という冷めた部分もあるようだが。
日本の特撮と海外のSFXの違いについてという問いには
「大半は安っぽい日本映画より、『スターウォーズ』や『タイタニック』のようなお金をかけた豪華な洋画を見に行くのは当たり前」
と、かなり手厳しい発言もあった。ともあれ今回の『GAMERA-1999』に対しては、
「興味のある人しか買わないだろうが、買ってもらった人に損はさせません」
と語っている。とすると今回の作品は、特撮ファンならずともまったく新しいタイプのドキュメンタリービデオとして、満足いくものになっているということ。さらに
「映画は端で見ているよりも、現場にいるほうがおもしろい」
と言う。そう、まさに今回のビデオは現場に密着したドキュメンタリーなのだ。第3世代が制作した『平成ガメラシリーズ』。そして、その人たちを完全ドキュメントした庵野監督。これはまさに庵野秀明氏の最新作品と言っても過言ではないのではないだろうか。
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